はじめまして。高橋大吉と申します。
横浜を拠点に活動する独立系ファイナンシャルアドバイザー兼起業コンサルタントです。
スタートアップの資金調達戦略、ベンチャーキャピタル投資、事業計画策定を専門としています。
私の起業家としての旅路
私のキャリアは、みずほ銀行の法人営業部からスタートしました。
東大院で理論を学んだ後に大手銀行で実務を経験したことで、「資金」というものの両面性を痛感したのです。
つまり、お金は事業成長の栄養剤でありながら、同時に経営判断を歪める毒にもなりうるということです。
スタンフォードMBA留学中に現地のスタートアップ文化に衝撃を受け、帰国後はグロービス・キャピタル・パートナーズでベンチャーキャピタリストとしてのキャリアを積みました。
そして2016年、自らが投資する側から、投資される側へと立場を変え、フィンテックスタートアップ「CashFlow」を創業。2019年にマネーフォワードへの売却を経験しました。
では、なぜ私はこのような背水の陣を敷いて起業に踏み切ったのでしょうか?
それは、多くの起業家と接する中で、「資金調達は目的ではなく手段である」という本質を体感してほしいと考えたからです。
実際の現場では、資金調達に成功しても事業が失敗するケースを数多く目の当たりにしてきました。
一方で、限られた資金を巧みに活用し、一石二鳥どころか「一石三鳥」の成果を上げる経営者もいます。
その違いは何か?この問いが私の起業の原点でした。
資金戦略の哲学:お金の流れは水の流れに似ている
私の専門分野である資金調達戦略について、ひとつの考え方をお伝えしたいと思います。
お金の流れは水の流れに似ています。
無理に堰き止めても、いずれ別の道を探して流れ出します。
大切なのは、その流れを理解し、事業という船を進める推進力に変えることです。
起業家として最も苦しんだ資金繰りの日々は、今では私の最大の財産です。
銀行員、VC、起業家という三つの視点から資金調達を経験したことで、理論と実践を融合させた独自のアプローチを確立できました。
現在は一橋大学ビジネススクールで非常勤講師も務め、次世代の起業家育成にも力を注いでいます。
何をお伝えしていくか
このブログでは、以下のようなテーマを中心にお伝えしていきます:
- リーンスタートアップ手法と資金調達の融合アプローチ
- 段階別資金調達戦略(シードからシリーズBまで)の最適化
- 投資家心理を考慮したピッチデッキの作成法
- 日米のベンチャー投資環境の比較と活用法
- 資金ショートを回避するキャッシュフロー管理の実践テクニック
特に力を入れたいのは、地方での起業支援です。
東京一極集中のスタートアップエコシステムに頼らない、地域に根ざした資金調達モデルの構築は急務だと考えています。
クラウドファンディングやローカルエンジェル投資家ネットワークの活用など、具体的な方法論をお伝えしていきます。
日本酒とトライアスロンから学ぶビジネスの知恵
私生活では、日本酒の醸造所巡りとトライアスロンが二大趣味です。
一見すると専門分野とは無関係に思えるかもしれませんが、実はこれらの活動から得られる学びは計り知れません。
地方の小規模醸造所を訪ね歩く中で、伝統産業のイノベーションや事業承継の課題と向き合ってきました。
何百年も続く老舗が直面する「守るべき伝統」と「変えるべき部分」の見極め方は、スタートアップの pivot(方向転換)戦略にも通じるものがあります。
また、トライアスロンの「長期的な目標設定と日々の積み重ね」という姿勢は、まさに起業家精神の真髄です。
毎朝5時から7時までの「ゴールデンタイム」に執筆活動を行うのも、このスポーツから学んだ自己管理の賜物かもしれません。
これからの展望
資金調達は技術であると同時に、一つの哲学でもあります。
特に日本の起業家は「借金への恐れ」や「失敗へのスティグマ」といった文化的障壁に直面しています。
私は単なる資金調達テクニックを超えた「経営者としての哲学」を皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。
月に一度は地方の起業家コミュニティを訪問し、様々な地域の声を拾い上げることを習慣にしています。
このブログを通じて、そうした多様な視点も共有していきますので、ぜひコメントやご質問をお寄せください。
皆さんとの対話から、私自身も多くを学ばせていただきたいと考えています。
起業の旅路において、資金調達は通過点であって、目的地ではありません。
本当の目的地は、皆さんが思い描く理想の事業を実現することです。
その長い旅のパートナーとして、微力ながらお役に立てれば幸いです。